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アフターコロナ

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毎日毎日新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の話ばかり。

 

もう日本でも騒ぎになってからだいぶ時間が経つわけで、科学的な見解を踏まえて対策も洗練されてくるのが普通だと思うわけだけど、個人的には世間が向いている方向が正しいようにはどうしても思えない。


今回は個人的な備忘録も兼ね、本当に大事だと思うことだけをここに書いておきたいと思う。

 

アジアと欧米の差


まずこれが個人的には最も気になる部分なのだけど、「気を抜いたら日本もすぐにイタリアのようになる」という最近では皆が口にしている文言は多分正しくない。


日本では「検査数抑制戦略」が取られており、実際の感染者数を示すデータが皆無だから「絶対」とは言えないわけだけど、どう逆立ちして考えても日本で既にウイルスが蔓延していないはずがない。東京の人口密度は世界一。武漢からも地理的に近く人の往来も極めて盛ん。そんな場所で感染が拡大しないわけがない。


コロナによる死者数は当記事執筆時点では、日本ではまだ二桁。一方イタリアでは約1万人。イタリアの人口は日本の約半分。絶対値で見た時のこの「100倍以上」の死者数の差というのはあまりにも不自然。


私も最初は「イタリアでは医療崩壊が起きたから」だと考えていた。医療崩壊が起きれば死者数が爆増する可能性は十分あるのだろうと。ただ、最近ではこれも多分正しくないだろうと思っている。なぜなら、日本の非常に少ない感染者たちの多くは、そもそも重症化すらしていないからだ。


昨日今日(3月28~29日)と東京では不要不急の外出自粛要請が出ているが、一般的に重症化リスクの高い高齢者たちはいつも通り外出しているらしい。報道によれば、巣鴨の地蔵通り商店街は今日も高齢者たちで賑わっていたのだとか。


ウイルス自体は拡がっているはずなのに、高齢者がバタバタと倒れるような事態がいつまで経っても起こらない。


この理由について連日考え続け、たどり着いた結論としては、「何らかの理由で日本人には免疫の面で優位性がある可能性が高い」というものだ。もう少し言うと、日本人に限らず、中国人や韓国人にもこれは当てはまると思う。中国での死者数は約3,300人だが、日本の人口でスケールすれば約300人ということになる。武漢ではパニックによる医療崩壊が起きたわけで、それを考慮すれば、この数字からは「日本同様ほとんど死んではいない」と言えると私は考えている。韓国に関しても、感染者数が多いだけで死者数は決して多くない。


したがって、少なくとも日中韓に関しては、何らかの理由で欧米人に比べ、国民が持っている免疫に優位性があるのだろうと私は考えている。実際のところ、人種によって罹りやすい疾患というのは存在する。私はこの分野の専門家ではないからこれ以上はわからないけれど、後々これに関しては専門家たちが明らかにしてくれることだろう。

 

アフターコロナ


そういった観点から考えれば、日本人がコロナ対策としてどのような点に気をつければ良いかも自ずと見えてくる。


繰り返しになるが、日本におけるリアルな感染者数は誰も知らない。今後も明らかにはならないだろう。ただ、死者数の統計データは信頼ができる。


コロナが日本でも重大な問題として認識されるようになってから既に2か月くらい経つ。要は2か月間で死者は二桁。人口規模で考えれば、これははっきり言ってゼロと近似可能。


「命は一つだけだろ!」と言いたい人もいるだろう。そこで興味深い統計データがある。最新の統計によると、日本では年間約2万人が自殺している。つまり、2か月間では3,333人くらいが亡くなっていることになる。自殺者などというのは社会的努力により減らすことが十分可能なわけで、私はそういった観点からも、コロナに対する日本国民の反応はあまりにも過剰だと考えている。単に目新しいものに飛びついているだけというか、本当に臭いものには蓋をしているというか。


ただ、そんな中、報道でもようやく扱われるようになってきたように、日本でも各種「自粛」による「経済へのダメージ」が深刻になってきた。当たり前だが、皆が外出を自粛し家に籠もっていれば、飲食店も鉄道会社も航空会社も旅行会社も潰れてしまう。大手はまあ国が税金で支えることになるのだろうけれど、その辺に数多ある小規模な飲食店などいとも簡単に潰れてしまうことだろう。1か月程度収入がゼロになるだけならどうということはないだろうが、このままの流れでいけばもっとはるかに長い期間今の状態が続くことになるのだから。自転車操業をしているような中小企業は日本には非常に多い。このままいけば一体どれだけの人が職を失うことになるのだろうか。


個人的には、皆さすがにそろそろコロナ終息後の日本の姿について考えるべきだろうと思う。アメリカではコロナにより、現時点で既に数百万人が失業している。日本でも現在のような状況が続けば、そういう桁で失業者が出ることになるだろう。


日本の経済は弱って久しい。現代の日本に、「自分は豊かに暮らせている」と感じている人が一体どれだけいるだろうか。巷に溢れる高齢者。若者は皆貧しく、結婚は難しい、子供を持つなど夢のまた夢。少ない現役世代で高齢者を必死に支える日々。支え終わって自分が高齢者になった時には支える人がいなくなっている。年金制度は続くだろうけれど、受給開始年齢はどんどん引き上げられ、受給前に亡くなる人も多くなるだろう。


そんな状態なのにも関わらず経済を止めてしまって、一体日本人はコロナ終息後のボロボロになった社会の中でどう生きていくつもりなのだろうか?


連日数百人が亡くなっているイタリア、スペイン、フランスのような状況なら人命最優先で全く問題ない。そんなことは子供にだってわかる話。


日本の状況は極端に異なるのに、なぜ日本人はそういった国々の真似をするのだろうか?


私はここ数年、日本と中国を行ったり来たりする生活を送ってきた。これは特殊な例ではない。似たような生活を送っている日本人は実際のところ山ほどいる。

 

実は先月、咳と発熱が8日間続くという人生で初めての経験をした。間違いなく感染したのだと思う。詳細は省くけれど、いわゆる「濃厚接触者」数人にも似たような症状(発熱は一切なく咳だけの人もいた)が出た。医師からは「可能性はありますが、検査が受けられない以上知る術はありません。風邪だと思っておいてください。肺炎の兆候が見られた際には話が変わりますが、その確率は低いです。」と言われた。


「自分が罹るかどうかではなく、高齢者や持病のある人に移してその人たちが重症化することが問題」と言う人もいる。もちろん言いたいことはわかる。正しい文言に聞こえる。私だって最初はそう思っていた。ただ、現状、重症化する高齢者なんて全然出ていない。全然死者数が増えていない。潜伏期間が長めだとは言え、もうこれだけの時間が経っている。これから日本でコロナによる死者数が激増するとはとても思えない。


「オーバーシュート」(感染者の爆発的増加)は起こる可能性がある。というか、そんなものは既に起きているのではないだろうか? 上述の私の濃厚接触者たちの中には、老人福祉施設で働いている人もいるし、保育園に通っている幼児もいる。普通に社会生活を営んでいたら、それこそ完全な外出自粛でもしない限り、この手の感染力が強いウイルスの拡散を止めることなど絶対にできない。だから数理科学の分野で博士号を持っているメルケルさんも「全国民の6~7割が感染する可能性がある」などと早々に発言したのだろう。


問題は、私が仮にもし総理大臣だったら、どんな判断をするだろうかということ。


結局、なんだかんだ言って安倍さんと同じだと思う。不要不急の外出自粛を引き続き要請するだろう。


「コロナは怖くない」なんて言った瞬間に国民がどんな反応をするかなんて火を見るよりも明らかだからだ。「国民が満足していればOK」、そういう観点で判断をすることになると思う。


トランプさんが少し前に、「アメリカではインフルエンザで毎年万単位の国民が死んでいる。一体コロナで何人が死んだって言うんだ?」などと発言していたけれど、彼は早々にこの考え方を撤回した。


「平均的な国民」の知的水準というのは我々が思っているよりもだいぶ低い。今これを読んでいるあなただって、こんな長文を読んでいる段階でwell-educated(教養がある)なのだ。間違いなく平均以上だと思う。


そう考えると、日本の政治家というのはこのことを本当によく理解しているのだなと思う。効率よく票を獲得する上で重要なのは、この「平均的な国民」にフォーカスすることなのだから。


ここに書いたようなことは、安倍さんだって小池さんだってわかっているのだとは思う。このままいけばコロナ終息後の日本が非常に凶悪な経済格差社会になるだろうこともわかっているだろう。そういったことに想いを馳せれば馳せるほど、頭の中がモヤモヤしてくる。


結局のところ、いつだって最後に地獄を見るのは弱者だから、、、


「そもそも『コロナの終息』とはどういう意味ですか?」と街頭で問えば、皆「ウイルスがいなくなること」と答えるだろう。これが「平均的な国民」ということなのだと思う。