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昨晩、20時過ぎに職場のお偉いさんから秘書さんを通して間接的に連絡があり、とある賞的なもの(正確にはawardではなくhonor)の授与が決まった旨話があった。


いつものようにお酒を飲みながら緩んだ顔でアニメ(まちカドまぞく)を見ている最中だったからあまり頭が動いていなくて、最初はピンとこなかったのだけど、詳細を聞くにつれて酔いが覚め、結局昨晩はあまり眠れなかった。


今日になって色々と話を聞いてみて、一体何が起きたのかがわかってきた。この手の選考にはもちろん政治の力が大いに絡むわけで、どうやら力のある人が裏で私のために動いてくれたらしい。私を助けて一体その方に何の得があるのかはよくわからないけれど、とりあえず今後その方には頭が上がらないなと。


日本で冷遇され、日本を飛び出してもう10年くらい経つわけだけど、なぜ今日までやってこれたのか自分でも正直よくわからない。そりゃその辺に転がっている石ころみたいな量産型よりは有能だとは思うけれど、賢い人なんてこの業界には掃いて捨てるほどいるし、その階層で言えば私は下の中か、よくて下の上といったところだろう。もっと上ならそれこそ母国でいい暮らしができたのだろうし。


家族や同僚にはいつだって「今年で引退する」と言ってきた。実際のところ、ずっと有期雇用だったわけで、「終わり」は常に目の前にあった。そしてそれは今も続いている。私は今後も引退後の仕事をどうするか、その不安に苛まれながら、年々重くなる荷物を背負って坂道を登る日々を生きるのだろう。


それにしても、なぜまだ終わらないのだろうか、、、


アニメで例えるなら、1クールが終わりに近付き、さて転職の準備でもするかと思った瞬間に、何者かがセカンドシーズンを投げ込んでくる。そしてその次も、そのまた次もと続いた結果、今私はここにいる。職場はクールごとに変わったけれど、ストーリーはこの10年間続いたまま。主要メンバーも増えたけれど、サブキャラの中にはいなくなる人も結構いた。


結局のところ、いつだってこのアニメを外から見ている誰かが私を助けてくれたわけで、人に恵まれた、この一言に尽きるのかなと思っている。毎回本当に不思議で仕方ない。「私を助けて一体この人に何の得があるのだろうか?」と。


ただ、一つだけ思い当たることがある。自分はいつだって終わりを迎える心の準備ができていたから、袖振り合った人たちにはなるべく笑顔で接するようにしてきたし、自分側に利益などなくても相手が必要としているものはなるべく与えるようにしてきた。それで相手が嬉しそうにしたり、相手の大切な人たちが嬉しそうな顔をしたりするのが見られればそれで十分だった。元々私は自分に自信がないし、特段手に入れたいと願うものもなかったから。


とりあえず、今後も平家物語のあの冒頭部を忘れずに、淡々と歩みを進めて行きたいなと思っている。いつ終わってもいいように。


私を今日まで導いてくれた数人の先生方に心からの感謝と敬意を込めて、今の気持ちを忘れないよう、ここに記録しておこうと思う。


最近口癖になってる「Life is a pain」。


自分らしさを大切に、また一歩、先へ。