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BCGワクチンに期待される新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への効果

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最近、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に関連して話題になっている話があるのでご紹介したいと思います。


我々日本人にも非常に馴染みのある「BCGワクチン」に、コロナに感染した際に重症化を防ぐ効果があると期待されているのです。


細菌である結核菌に対するワクチンがなぜウイルスであるコロナに効くのか? という話になるわけですが、どうやら直接コロナウイルスに働きかけるわけではなく、「オフターゲット効果による自然免疫の強化」が期待されているようです。


「オフターゲット効果」というのは、今回で言えば、ターゲット(標的)である結核菌以外に対する効果という意味なのですが、BCGワクチンを接種することにより、人間が生まれつき持っている「自然免疫」が強化されるようなのです。


BCGは生ワクチンであり、実験室で培養し弱毒化した上で、実際に細菌を体内に接種して感染させることにより、結核菌に対する免疫を獲得することを目的としています。要は雑に言えば、弱くした毒を体内に人為的に入れることで、その毒に対する抵抗力を獲得することができるということです。


先行研究によると、この過程で自然免疫が刺激され、結核以外の感染症に対しての免疫が強化されることがわかっているのだとか。ですからコロナに対する免疫も同様に強化されることが期待されているわけです。


実際にコロナに関する統計データに目をやれば、接種率が約99%である日本や中国、約98%である韓国では、人口でスケールした場合に、接種率がゼロであるイタリアやスペインに比べ重症者数や死者数に関して極めて大きな優位性が見られます。


つまり、我々日本人は幼い頃に受けたBCGワクチンの接種により自然免疫が強化されており、その結果、接種率の低い欧米人と比較してコロナに感染しにくい、また感染しても重症化しにくくなっている可能性があるということなのです。


このことをどうやら確からしい、と考えている研究者は既に多くいるようですが、今後の研究で詳細が解明されることかと思います。


個人的には、なぜイタリアではこんな短期間に1万人以上もの人がコロナで亡くなっているにも関わらず、日本では不要不急の外出自粛要請程度の対策で死者数が二桁に抑えられているのかずっと疑問に思っていたのですが、もしかしたらこれが答えなのかもしれません。もちろん、まだ結論を出すには早過ぎますが。


とりあえず、当記事を読んで安心するのだけは絶対にやめてください。引き続き手洗い、消毒、マスク着用、換気の悪い閉鎖空間での滞在を避ける等の感染防止策の実行を徹底してください。現時点ではあくまで「こんな話もある」程度に受け止めておいて頂けたらと思います。


現在欧米諸国では、とりあえず医療従事者にBCGワクチンを接種してみようという話も出ているようなので、今後急速に臨床研究が進むことが期待されます。


どうやら「既存のワクチン」は研究したところでお金にもならないため、一般的にはあまり研究対象にはならないようなのですが、もしBCGに感染症全般に対する上述のようなユニバーサル(普遍的)な効果があるのであれば、それは素晴らしいことですよね。続報が待たれます。