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大きく変化する世界の勢力図。中国で急増するアフリカ系大学院生。

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中国の教育機関における新学期は欧米諸国と同じ9月始まり。


最近、北京にある某有名大学を訪れる機会があった。


広大なキャンパス内を歩いていて目についた光景は、日本の大学のそれとはあまりにも極端に異なるものであった。兎にも角にもびっくりするくらい「外国人留学生」が多いのだ。白人、黒人、中東系、ラテン系、、、すなわち見た目で中国人ではないと判断可能な外国人が非常に多かった。


その中でも特に個人的に驚いたのは黒人の多さ。本当にびっくりするくらい多い。大学関係者に話を伺ったところ、近年中国政府はアフリカへの投資を急速に拡大していて、アフリカ系留学生の獲得にも膨大な額の予算をつけているのだとか。


留学生と一言で言っても、実際のところ、自国の大学を出た上で、中国の大学に大学院生としてやってくる人が多い。連中の授業料は全額免除。住居に関してはキャンパス内のドミトリーが利用可能で、家賃は日本円で月1,000円程度だったりと実質無料みたいなもの。さらには毎月給料がもらえる。額は大学によって大きく異なるが、北京にある一流大学の理系大学院生の場合、修士課程の学生で月6万円程度、博士後期課程の学生で月8万円程度は最低でももらえる。大学によっては、月10万円以上もらえるケースもある。これらの額というのは、アフリカ系の留学生にとっては自国の平均給与を大きく上回るものであり、極めて魅力的な条件と言える。したがって、一旦こちらに留学生としてやってくると、博士号(Ph.D.)を取得するまでこちらに留まる人が多いのだとか。


さて、今これをお読みのあなたは、博士号を持っていますか?


黒人と聞くとやはり貧しいイメージがあります。先日私はイタリアの某都市に出張に行ってきましたが、街中には黒人の物乞いが溢れ、やはり皆貧しいのだなと痛感したところです。


しかしながら、中国で見かける黒人たちは全く違う次元にいます。我々日本人のほとんどは連中よりも「低学歴」なのです。


「学歴なんて関係ない」などと言う人が日本には多いようですが、少なくとも国際的なビジネスシーンにおいては強力な「アクセサリー」として機能します。例えば、博士号を持っていれば、正式な敬称は「ミスター(Mr.)」や「ミズ(Ms.)」ではなく「ドクター(Dr.)」に変化するわけで。


今後、我々日本人は、国際的なビジネスシーンにおいて黒人たちと交渉する機会が急速に増えることでしょう。その際にこの辺りがじわじわと効いてくるのではないかなと私は予想しています。学部卒が一般的な我々日本人にとっては、MBA程度であれば何とか日本で働きながら取得する方法もないわけではありませんが、さすがにPh.D.となると話は別です。


そんなわけで、今回非常に多くのアフリカ系大学院生を目の当たりにし、世界が大きく動く様を肌で感じた気がしました。


中国で(超)高等教育を受けた連中が博士となって自国に戻り、ビジネスシーンで世界と戦う、、、そんな時代がすぐ目の前に迫っているのかもしれません。


中国は一党独裁国家であり、政策実行のスピードが極めて速い。民主主義国家である日本やアメリカは兎にも角にもスピードの面で常に遅れをとってしまう。更には、中国は一党独裁国家であるがゆえ、中長期的な政策の実行も極めて容易。逆に、民主主義国家である日本やアメリカは、政権が変わるたびに全てがゼロに戻ってしまう。


私は日本人、つまり自由主義陣営の人間ですから、社会主義が良いとは思っていませんが、中国が日本やアメリカを差し置いてグングン伸びていく様を見ていると本当に何とも言えない気分になります。


「日本に生まれただけで勝ち組」なんて表現は随分と昔からあるわけですが、よくよく考えてみたら、最近ではもう誰も使わなくなってしまいましたよね。


北京という街で世界が急速に動く様を眺めていると、何と言うか、そのスピードがあまりにも速過ぎて、ちょっと目が回りそうになったりします。


私はもう年なので、日本に完全帰国したら、定期的に温泉にでも浸かりながら日本の美味しいものと美しい自然に囲まれて、残りの時間を静かに暮らしたいと考えています。


ということで、若い皆さんは是非引き続き頑張ってください。あとは任せた!